潰れる、閉院する整骨院・・・経営の2つの特徴

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2018年の東京商工リサーチのデータによると、マッサージ業、接骨院(整骨院)の倒産は93件に及んだそうです。

この数を見て、みなさんはどうお考えですか?

 

私はこう感じました。

「そんなもんでは済まないだろう・・・」

肌感覚で感じる方は、おそらく整骨院はもっと閉院つまり潰れているはず、と思うでしょう。今まであった院を閉院するくらいの話は、1年に数回は聞きます。

 

ある大阪で整骨院を分院展開している先生と、そのような話になりました。その時に二人の結論は一致しました。

 

それは、「倒産と閉院は違うでしょ?」ということです。つまり倒産件数は93件ですが、閉院はもっともっとある、ということです。もう少しいうと、倒産は会社、閉院は個人でも分院でもあるということです。

 

ちょっと本気で取り組まないと、整骨院は経営できない世の中になってきております。

 

ただネガティブになる必要はありません。そもそも整骨院経営自体、他の会社の社長から言わせてもらうと「これで儲かるのか・・・」というくらいありえないモデルだったのです。

 

そのあたりも踏まえつつ、これからの時代潰れる整骨院の2つの特徴についてお伝えしたいと思います。

 

 

元々の整骨院のビジネスモデルとは?

 

下の図をご覧ください。これが整骨院保険診療のビジネスモデルです。このモデルはお客である患者様の支払いが少ないにも関わらず、事業者(整骨院)がしっかり収益を得られる形になっております。

 

 

このビジネスモデル、他の業種にはない画期的なモデルでした。お客の負担が少なく、より良いサービスが受けられるのですから、患者様はこまめに通院しようとします。そんなに集客に躍起にならなくても、患者様が集まったのです。

よってこの保険診療のビジネスモデルの場合、売上を上げるには、以下の二つがポイントになります。

 

1、1日あたりの来院患者をいかに集めるか?

2、患者様をたくさん受け入れ、こなせる体制ができているか?

 

つまりこの2つができている整骨院が、1日200~300名お越しになるくらい繁盛していたのです。

 

 

潰れる、閉院する整骨院が増えたのは、保険診療のせい?

 

ただこの整骨院保険診療のビジネスモデルが破綻し始めます。つまり保険請求の時点で厳しくなり、保険の審査が通らないという自体が増えてきたのです。よって保険診療に依存していた整骨院が潰れるという事態が起き始めます。

 

しかし業界自体保険診療に甘えてきたわけですから、その風潮はなかなか変わりません。「何かしら対策を打たなければ・・・」と思っていても、「どうにかなるだろう」という気持ちが勝り、そのままあぐらをかいてきたわけです。

 

今でも保険診療に売上を依存している整骨院はたくさんあります。どうなるんだろうという危機感は持っていると思いますが、

 

私が考える、潰れる、閉院する整骨院が増えた本当の理由

 

上記をふまえると整骨院の先生方は、整骨院の業績が上がらなくなっている理由に、保険が厳しくなっていると答えるのではないでしょうか。確かにそれは1/3は当たっていると思います。

しかしながら私は潰れる整骨院が増えた本当の理由はこちらだと考えています。

消費者(ここでは患者様)の見る目が肥えてきた。

みなさんは、ここに気づいていますか?

現在インターネットのおかげで、患者様、というより一般消費者は情報を収集することに慣れています。よってクチコミをあてにしますし、何かあったらすぐその場でスマホで調べます。よって検索する力がついてきているのです。

 

またクチコミの話を出しましたが、そのクチコミが正当性があるのかヤラセなのかも、わかるようになってきています。そのくらい感度が高い人も増えてきています。

 

そして最後に、世の中には良い商品が出回っています。もう少しいうと、どれもそこそこ良い商品なのです。同じように整骨院での施術もみんなそこそこ良い施術をするようになっています。よってどこが上手いのかなどもわからないのです。

 

 

整骨院は、今では技術だけでは差別化できない時代

 

 

ちょっと他業種の例を挙げます。洗濯用洗剤は世の中にたくさん出回っていますよね?しかしおそらくですが、企業側はいろいろ成分にこだわったりしているでしょう。

 

整骨院でも選ばれるのなら差別化しなさい、と言われます。たいていの先生方は、施術のテクニックで差別化しようとするでしょう。「うちでは○○式というテクニックを使っています」「日本で○名しかいない技術を用いてます」といった感じです。

 

ただ私たちが洗濯用洗剤を買うとき、その成分やスペックとかで選んでいますか?おそらく高いか安いかなど価格で選ばれているケースが多いのではないでしょうか?成分を聞いても、説明されなければわからないことが多いのです。

 

同じように施術もそうなる可能性があります。技術の良し悪しは患者様にはわかりません。患者様の判断基準は、施術後に楽になっているか否か、それに加えて「ここに通うと治るのか否か」だと思うのです。

 

よって技術だけでは差別化できない、ということはそういうことです。

 

実は、整骨院に限らず現在ビジネスをするということは、そういう戦いを強いられていることを理解すべきだと思うのです。

 

潰れない、閉院しない整骨院を作るために、技術+αが必要な時代

私は治療家でありつつ、「治療家を育成する先生」でもあります。昔なら「治療家を育成する先生」は、技術と治療理論さえしっかり教えておけばよかったのです。理由は、整骨院は保険診療という圧倒的なビジネスモデルで支えられていたからです。

 

しかしながら、今では整骨院は状況がガラッと変わっています。「治療家を育成する先生」は、先を見据える力も不可欠です。そして治療院という業界の枠にとらわれずに考えられる人が不可欠です。

 

つまりこれからの整骨院において、「治せる技術+α」の要素が不可欠なのです。

 

 

潰れる、閉院する整骨院経営、2つの特徴とは?

 

ここで潰れる整骨院の2つの特徴について、今まで見てきた中でご紹介したいと思います。

 

それはこちらです。

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1、現時点で、保険がメイン(保険診療の割合が70%以上)1日平均20名以下の院

2、自費の割合が50%以上の院なら月商70万円以下の院

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1、保険メイン(売上において保険診療の割合が70%以上)ということは、保険診療への依存度をみています。患者様が整骨院の保険診療への理解度が高まっていますから、保険診療への売上依存度を抑えていくことが理想です。また同時に保険診療メインにも関わらず、1日平均患者数が20名以下の院は、集客力もしくはリピート力がないことを意味しています。金額が安いのに来院数が少ない場合、自費メニューを入れるだけだと難しいと思います。

 

2、自費に切り替えたとき、売上が下がる院が多いものです。しかしこれは保険診療のビジネスモデルのまま自費を導入してしまったからに他ありません。整骨院で自費を入れる場合、集客と提案とリピートの3つを考えて取り組んでいく必要があります。

 

自費を導入している院で一人整骨院なら月商70万円以下、これに加えてスタッフを雇っているのなら、スタッフ一人当たりプラス40万円を切っている整骨院は、注意が必要です。

もしこういう状態の方がいたら本気でどうするか考えていくべきです。

 

 

 

潰れない、閉院しない整骨院経営、打ち手は?

 

では、潰れない、閉院しない整骨院を作るために、どう対策を練っていけばいいのでしょうか?大きく分けて3つを分析していく必要があります。

 

1つは患者数を増やす活動です。つまり集客です。新患を増やす、再初診(久しぶり患者様)を増やすということです。

 

2つ目は、売りとなるメニューを作ることです。より自院の価値を提供できるメニューを導入し、そのメニューに提案できる体制を作ることです。

 

3つ目は、患者様が継続して通う体制を作ることです。

 

この3つにおいて、患者様に最適な体制を作ることで、整骨院の経営状況はガラッと変わってくるのです。

 

 

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