肩こりと間違えられる胸郭出口症候群は、猫背が原因

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肩こりと間違えられる疾患の中に、胸郭出口症候群があります。

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胸郭出口症候群は治療家の皆さんはご存知だと思うのですが、首や肩回りの筋肉などで腕神経叢・血管等を圧迫し、上肢にシビレや違和感、だるさなどを訴える疾患です。

よく見受けられるのが、つり革に長い時間掴まっていられない、高い棚の片付けなどをしていると腕を上げていられない、という症状です。

これは胸郭出口症候群の中でも、小胸筋部分の神経・血管の圧迫から起きる、過外転症候群という疾患に合致します。

ちなみに今回のテーマですが、この過外転症候群は猫背が原因で発生するのです。
また猫背を治さなければ、過外転症候群は改善しづらい方が多いのです。

下の写真をご覧下さい。

猫背

猫背の状態、しかも前肩の状態において、肩関節の前方、つまり三角筋や大胸筋などが短縮を起こします。

ただこれは表層から見ただけであって、実際はその下にある小胸筋が縮み、硬くなっているケースが多いのです。

※ちなみに正しい姿勢はこちらです。

猫背ではない姿勢

ちなみにこの猫背の姿勢で神経が圧迫されるポジション、つまりライトテストのポジションに持っていくとどうなるのでしょうか?

ライトテスト

というより、写真を見るとお分かりのように、なかなかそのポジションに持っていきづらいのです。

※ちなみに正しい姿勢だとこのくらいは出来ると思います。

柔軟性

過外転症候群の施術として、「小胸筋を緩ませる」というのが第一選択としてございますが、同時に「猫背を治す」ことが不可欠になってくるのです。

胸郭出口症候群そのものですが、よく整形外科でも「肩こり」と診断されやすい疾患です。
また胸郭出口症候群という診断を受けても、しっかりと症状を説明されなかったりとか、治療法が筋弛緩薬などの飲み薬だけだったりとか、治療が中途半端になってしまうことが多いのです。

また整体やリラクゼーションにおいても、細かい鑑別までしないことが多いので、そのままスルーしてマッサージや整体をしている方もいらっしゃると思います。

よって「なんだかスッキリしない・・・」と仰られている潜在層の方が多数いることも頭に入れておいて下さい。

こういう悩みにおいて、どう対応出来るのかは、治療家として大切なことだと感じています。

ただ教科書や参考書的に疾患のメカニズムを勉強するだけではなく、その知識を発展させて、再発しないようにするにはどうしたらいいのか、ここまで考えられるといいですね。

 
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